毎年3月2日に行われる、若狭に春を呼ぶ儀式「お水送り」だ。
奈良、東大寺二月堂のお水取りに先だち、そのお水を若狭から送るという、1300年の伝統を有する行事である。
送水神事の行われる遠敷川中流の「鵜の瀬」だ。静かに時を待つ鳥居。
そして、日が落ちると、いよいよ「神宮寺」での修二会が始まる。
火天が「韃靼松明」を振り、七里を結界し、魔を祓う。
そして、法螺貝が鳴り響くなか、大護摩法要が修される。
大護摩の火が大中小の松明に移され、2キロほど上流の鵜の瀬へと、壮麗な行列により運ばれる。
クライマックスは、鵜の瀬での送水神事である。
御香水が淵の流れに注ぎ込まれる。
法螺貝が鳴り響き、神事が厳修される。
お水は、この鵜の瀬の水中洞穴に吸い込まれ、十日間をかけて奈良二月堂の「若狭井」に至るのである。
まさに、光と音の荘厳なページェントだ。
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